「神殿の完成〜主が彼らを喜ばせた〜」エズラ記 6章1〜22

 バビロンから帰還したイスラエルの民たちは、破壊されたエルサレムの神殿再建工事を始めます(紀元 前536年)。けれども、サマリヤ人たちの激しい妨害のため、工事は中断しました。
 その後、紀元前520年ダリヨス王の時代に、預言者ハガイとゼカリヤがみことばを語り、それによってゼルバベルとヨシュアが立ち上がり、工事を再開します。  
 総督タテナイたちは、誰の命令で官を建てているかを彼らに問い、ペルシャ王クロスの命令によることを、ユダヤ人長老たちは伝えました。
 総督は、それを確認するために、ダリヨス王に確認の手紙を送ります。


<1〜5節>

 総督たちから手紙を受け取ったダリヨス王は、バビロンにある文書保管所を調べさせ、アフメタ(メディア州の首都)で、クロス王がエルサレム神殿再建を命じている記録を見つけます。そこには、神殿の大きさ、費用を王家が負担することなどが記されていました。


<6〜12節>

 ダリヨス王は、エルサレム神殿再建工事がクロス王の命令によることを確認したため、神殿工事の続 行を総督タテナイたちに命じます。

 そして礼拝のために必要な物も祭司の求めに応じて与えるように命じました。その代わり「王と王子 の長寿を祈るように」と命じます。このような宗教緩和政策によって、反乱を起こさないように、むし ろ、王家を祝福するようにとの意図もありました。そして工事を妨げる者には罰を与えるというペルシ ャ王の強いバックアップを得たのです。


<13〜15節>

 こうして総督たちはダリヨス王の指示に従いました。そして預言者ハガイとゼカリヤによる預言(神 のことば)が人々を励まし続け、紀元前515年、ついにエルサレム第2神殿は完成しました。

 神の命令と、その時の王たち(細部にわたってはアルタシャスタの時代まで続いたようです)の保護を も用いて、神殿はついに完成しました。


<16〜18節>

 ソロモンの神殿(第1神殿)の時ほどではありませんが(U歴代誌7:5)、それでも人々は、奉献 式でせいいっぱいのささげ物をしました。

 またソロモンの時代には行われなかつた「イスラエル人全体の罪のためのいけにえ」(17節)がさ さげられています。それは、エルサレム神殿の破壊、バビロン捕囚という歴史的悲劇を経験したことで 生じた、民たちの罪認識の深さと赦しを求める祈りの深さを表しています。

 バビロンによリエルサレムが破壊され、捕囚の身となったのは、イスラエルが神を侮り偶像に仕えた 結果でした。それにもかかわらず神殿再建を導き、自分たちの礼拝場所を与えてくださった神への感謝 が、この奉献式には溢れていました。


<19〜22節>

 原文では、4章8節から6章18節までアラム語で書かれていましたが、ここからヘブル語に戻りま す。信仰復興の時に、過ぎ越しの祭りがこれまでも意義深く行われてきました。
 「イスラエルの主を求めて、異邦人の汚れから縁を絶って」イスラエルに加わった人たちもいました。 主を求めていく時には、古い異教の習慣を断ち切る信仰の決断が求められます。
 人々は、古きをうしろにして、恵み深い神を深く思いながら、過ぎ越しの食事にあずかりました。現 在私たちは、聖餐式のたびに古い自分の死を確認します。
 人々は、7日間主を礼拝しました。主が王たちの心を彼らに向かわせ、神殿建設を支援し、また預言 者たちの語るみことばにより彼らを力づけ、ついに神殿が完成したことで、「主が彼らを喜ばせ」てく ださったのです。

< まとめ>

〇 神はあらゆる人を用いてみこころを実現します

 第2神殿完成のために、神はペルシャの王たちを用いてくださいました。帝王自らが神殿再建を命じ、 また引き継がれるために記録も保管されていたのです。

 神は異教の王たちさえも用いて、ご自身の計画を実現されるのです。背後で必要な助け人を備え、様々なものを用いて事を成し遂げてくださる神のご配慮に感謝しましょう。


〇 神はみことばによつて日々私たちを力づけます

 弱つたり挫折しそうな時も、神を礼拝し続ける中で、私たちは知らないうちに神からの強い励ましを 受けているのです。その時は気づかなくても、神を礼拝することで、みことばの励ましをいただき、支 えられているのです。
 みことばの力を認めましょう。生涯神を礼拝し続けましょう。

〇 神のみわざを深く思い巡らしましょう

 自分の人生の中で、神がどのように働き、私たちを助けてくださつたかを、静かに考える時を持つこ とは、私たちの次の力となります。
 神のみわざを深く思い巡らし、感謝をささげましょう(詩篇77:11〜12)

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