「神の知恵と配慮が現れる神殿」    
           T列王記10:1〜29


 ソロモンは、イスラエルの王になるにあたって、おびただしい民たちを治める知恵が与えられるように神に祈り求めました(3:8〜12)。
その願いは神のみこころにかない、神から授かった知恵により、ソロモン王のもとイスラエルは強固にされていきます。
そしてその噂は周辺諸国にまで広がり、ツロの王ヒラムは、神殿建設のために金や木材などを提供して助けてくれました(9:11)。

 またこの10章では、シェバの女王がその噂を聞いてソロモンを訪ねてきます。シェバの正確な場所は分りませんが、おそらく今のサウジアラビヤ周辺であったと思われます。
シェバの女王は、大勢の有力者と共に、土地の特産物であるバルサム油、金、宝石をたくさん携えてソロモンのもとに来ました。
その噂をただ確かめたいだけではなく、よい協力関係を築きたいという思いもあったのでしょう。


 女王は恐らく人生のことや自然界のことなど、日ごろ疑問に思っていながらも身近なところでは答えが得られなかったことなどをソロモンに質問し、ソロモンはすべてを説き明かしました。


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 彼女は、ソロモンの知恵と、その知恵が至る所に生かされている神殿、また心のこもった料理や、家来たちの態度などに神の知恵と配慮を感じ、驚嘆します
しかも「主の宮でささげた全焼のいけにえ」を見て、そのすべてが神礼拝からきていることが証しされていたのです。
実際に来ることで、噂以上のすばらしい神の知恵を見たシェバの女王は、異邦人でありながらも「あなたの神、主はほむべきかな」(
9節)と、神のすばらしさをほめたたえます。

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 神はソロモンに、地上のどの王よりもまさる富と知恵を与えられ、周辺諸国からもその豊かな知恵を聞くためにソロモンに謁見を求めるものが絶えませんでした
1429では、王宮で使われるものが金を中心に豪華であったことや、戦いのための武器も豊富に蓄えられていたことが詳しく記されています。

 しかしそれは同時に、次の
11章でソロモンが堕落していくことの原因にもつながっていきます。その豊かさや力が、段々神のあわれみで与えられたものであるという意識が、ソロモンの中で薄れていったのかもしれません。

 安泰であることや、豊かであること自体が、必ずしも人にとって幸せであるとは限りません。大きな悩みが解決したり、豊かになることで、心が高ぶり、神を忘れることがないようにと警告もされています(申命記8:10〜18)。

 適度に悩みがあったり、不足感があったり、毎日神様に泣きつかずにはいられない方が、恵まれている状態ともいえるのです。


 へりくだって神のあわれみと知恵をたえず求めながら、教会の隅々にまで神の知恵とご愛が現されていくことを願っていきましょう。そこに集う人々の言葉や態度にも、神の知恵と配慮があらされていき、神のすばらしさが証しされていきますように。
 神様が一人一人に気づかせてくださっていること、示されていることを実践していく時に、またさらに豊かな神の知恵が現され、神の御名がほめたたえられていくのです。





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