「必ず実現する主の約束」 T列王記5章
1〜6節
ダビデと友情を保っていたツロの王(Uサムエル5:11)が、ソロモンがダビデに代わって王となったことを聞いて家来を遣わしました。
それに対して、ソロモンは神殿建設のための助けをヒラムに要請します。
宮の建設は、父ダビデがすでに志をもって用意し始めていたこと(3節、T歴代誌22:6〜19)、自分の力を誇示するためではなくただ「主の名のために」建てようとしていること(5節)などを伝えた上で、材木と技術の提供を依頼し、そのための人や賃金は十分さし出すことを約束します。
7節
このソロモンの申し出を聞いて、ヒラムは非常に喜びました。
ソロモン自身は、ヒラム王とはほとんど面識はなかったでしょうから、要請の仕方によってはヒラムを怒らせて敵に回すことも十分にありえました。
しかしヒラムは非常に喜んで「きょう、主はほむべきかな。このおびただしい民を治める知恵ある子をダビデに授けられたとは」と言って、ソロモンの知恵ある要請を喜んで受け入れたのです。
民たちを治める力が自分にはないことを認めて、神の知恵を求めたソロモン(3:7〜12)は、決して民を力ずくで支配することなく、また周囲の国々とも平和な関係を築くことを大切にしていました(4節)。
平和を求め(ローマ12:17〜18)、神の喜ぶ道を知恵としたソロモンだからこそ、このような平和な時代を築くことができたのでしょう(最後までそうであったわけではありませんが)。
8〜11節
ヒラムはソロモンの要請どおり、木材と木を切る熟練者を送り、ソロモンも十分な見返りをヒラムに送りました。
12節
主が「約束どおり」にソロモンに知恵を賜ったので、ヒラムとソロモンの間には平和が保たれました。
その豊かな知恵と広い心(4:29)によって築かれた平和が、神殿建設のためにも用いられたのです。
13〜18節
ソロモンは、ヒラムのしもべたちと共に働く役務者を派遣し、神殿建設のため具体的に工事にあたる者たちを整えていきました。
12節にあるように、「主の約束どおり」に、主はソロモンに知恵を与え、また神殿建設のための必要も満たしてくださいます。
自国だけでは足りないものは、他国の助けを用いてでも、主はご自身の約束を実現してくださる方です。
主は、ご自身が約束されたことを実現するために、世界中のあらゆる人や資源をもお用いになることができる方なのです。
私たちの教会にも、今年「見よ。私は新しいことをする」(イザヤ43:19)と、主は約束してくださいました。
そして、それは「今、もうそれが起ころうとしている」とおっしゃるのです。
また一人一人に、主から与えられている約束のみことばがあるでしょう。
主が与えてくださったみことばの約束は、必ず成るのです。
どんなに見えるところは不可能に見えても、主は世界中のあらゆるものを用いてでも実現なさるのです。
私たちは、近視眼的で、今目の前に見えているものだけでしか判断できません。
しかし主は世界を宇宙をご覧になり、永遠を生きておられる方です。
主が必ず約束を実現してくださることを信じて、その約束をたえず思い起こしながら、主のみわざを祈り求めていきましょう。