聖日礼拝メッセージ要約 主題:「弱虫ギデオンを用いる神」
士師記6:11~14、7:1~25 三浦真信牧師
イスラエルを治めていたヨシュアが死んでから、イスラエルの人たちは自分たちで勝手に造った偽物の神を拝んだり、神さまを悲しませる悪いことを始めました。神さまのことを忘れて勝手なことをしているうちに、当時とても強かったミデヤン人がイスラエルを攻めてきて畑や食料を奪うようになり、イスラエルの人たちは食べるものにも困るようになりました。そのような苦しい生活が7年も続く中で、みな神さまに祈り叫ぶようになりました(7:1~8)。
「神さま、私たちはあなたのことを忘れて生きていました。ごめんなさい。どうかミデヤン人の攻撃から救ってください!」
その頃ギデオンという青年が、ぶどうを踏む場所で小麦を打っていました。ギデオンはミデヤン人に見つかるのが怖くて、隠れて仕事をしていました。そんなギデオンの前に突然、神の使いが現れて言いました。「力ある勇士よ。神さまがあなたと共におられます」(6:12)。するとギデオンは驚いて、「神さまが共にいてくださるなら、どうして私たちはこんなつらい目に会うのですか?もうずっと私たちはミデヤン人に苦しめられているのです」と答えました。神の使いは、「あなたがミデヤン人からイスラエルを救うのです。神さまはあなたを選ばれたのですよ」と伝えます(6:13~14)。ギデオンはびっくりして「とても私にはそんな力はありません」と答えます。神の使いは「神さまが共にいてくださるから大丈夫です」と言いました。ギデオンは、なかなか御使いを通して神さまが言われたことを受け入れられませんでした。しかし最終的には神さまが共にいて助けてくださることを信じて、従っていくことにしました。
さてミデヤン人と戦うために、国中からギデオンのもとに兵士が集まってきました。その数は3万2千人でした。ギデオンは「ミデヤン人の兵士の数は私たちよりもずっと多い。この人数で勝てるのだろうか?」と不安になりました。そのギデオンに神さまは「ギデオン、あなたと一緒にいる兵士は多すぎる。もっと人数を減らしなさい」と命じます。それは
今の人数でミデヤン人に勝ったら、イスラエルの人々が「神さまの助けがなくても自分たちの力で勝った」と自慢するかもしれなかったからです(7:2)。ギデオンは、今の人数でも少なくて不安でしたが、神さまがそうおっしゃるので、神さまの言葉を信じて従いました。そして神さまに言われた通り、「この戦いを恐れている者は帰りなさい」と言いました。すると兵士の数は半分以下になりました。それでも神さまはまだ数が多すぎるとおっしゃいました。そこでギデオンは、きれいな水が流れている川にみなを連れていき、手ですくって水を飲んだ300人を選び、他の兵士は帰らせました(7:5~7)。
夜になって、ギデオンは「こんなに少ない人数で勝てるだろうか」ととても不安になりました。恐れているギデオンに神さまは、ミデヤン人たちの陣営にこっそり行って、彼らが何と言っているかを聞くようにギデオンに命じます。ギデオンと若者プラがこっそりミデヤン人の泊まっているテントに近づくと、一人のミデヤン人が仲間に話している声が聞こえました。「さっき大きなパンのかたまりが転がって来て、私たちのテントにぶつかりテントが倒れた夢を見たよ」。聞いていた仲間は、「それって、私たちがギデオンに負けるということではないか?」と不安そうに答えます。それを聞いて、ミデヤン人の方がイスラエルのことを怖がっていることがわかりました。神さまは、そのことをギデオンに知らせ、この戦いに神さまが勝たせてくださることを確信させてくださったのです。そしてギデオンは生ける神を礼拝しました(7:10~15)。
神さまが共にいて勝利を与えてくださると信じたギデオンは、300人の兵士を三つのグループに分けて、それぞれに角笛とつぼを持たせました。つぼの中には火のついたたいまつが入っています。真夜中にギデオンは仲間を連れてミデヤン人のテントに近づくと、突然角笛を吹きならしてつぼを割りました。それを合図に、全員が一斉に角笛を吹き、大声で叫びながらつぼを割りました。ミデヤン人は、それでなくてもイスラエルを恐れていたので、そのすごい音を聞いてびっくりして逃げていきました。そして長い間苦しめられてきたミデヤン人からイスラエルは解放されたのです。
神さまは、ミデヤン人に苦しめられてきたイスラエルの人々の祈りを聞いてくださり、ギデオンを勇士として選びイスラエルを助け出しました。ギデオンは、最初ミデヤン人を恐れて隠れていましたが、そのような弱虫ギデオンを神さまはイスラエルを助けるために用いてくださったのです。でもギデオンだけでなく、人間はみな弱虫です。恥ずかしいからあまり弱いところを見せないようにしたり強がったりしているけど、いざとなったらみんな怖がりだし、不安になるし、ビクビクしてしまいます。
ギデオンも、ミデヤン人との戦いの直前まで不安で恐れていました。だから神さまは、ミデヤン人たちの方がこわがっていることを知らせるために、ギデオンをミデヤン人たちのテントに偵察に行かせました。どちらも恐れていたけど、ギデオンは神が共にいて勇気と力を与えてくださったので勝つことができたのです。
すぐに不安になったり恐れてしまう私たちに神さまは、「わたしが一緒にいるから恐れなくてよい」と言ってくださいます。「わたしはあなたに命じたではないか。強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの神、主があなたの行く所どこにでもあなたとともにあるからである」(ヨシュア1:9)すぐに恐れてしまう私たちであることを神さまはご存じで、このよう励ましてくださるのです。
「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたのことを心配してくださるからです」(Ⅰペテロ5:7)。私たちが心配する前に、神さまが私たちのことを心配してくださっています。ですからすべて神さまにお任せしましょう。
そしてすぐに恐れてしまうギデオンを用いてイスラエルに勝利を与えた神さまは、私たちの弱さもご存じで、足りないまま私たちを用いてくださいます。神さまが、苦しんでいる人や困っている人を助けるために私たちを遣わしてくださる時には、「自分なんかとてもできません」と尻込みせず、神さまが共にいて力を与えてくださることを信じて出ていきましょう。
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